100年経っても色褪せない名著「広告マーケティング21の原則」

書評

普段セールスコピーライターとして活動する私が、まず一番におすすめしたい本、それは「広告マーケティング21の原則」クロード・ホプキンス(著)です。

なんと本書の原書は1923年、今から約100年前にアメリカで発売されたものになります。

すでに日本語版も廃盤になってしまい、中古市場ではプレミア値段のものになってしまっていますが、ぜひ広告や表現に興味のある方はご一読いただきたい本です。

広告作りのノウハウ本ではない

クロード・ホプキンスは1900年代末から200年代初頭にアメリカの広告業界で活躍した人物で、本書はキャリアの集大成として執筆したものだそうです。

先ほども述べた通り、本書の原書が発刊されたのは1923年です。
日本で言えば、大正時代関東大震災が起こっていた頃、というとわかりやすいでしょうか。

メディアは紙媒体がほとんどであり、新聞や雑誌が中心の時代の話になるため今とは事情が大きく異なります。

ですが、ホプキンスはすでにこの頃から原則として伝えていることがあります。

「広告はセールスマンシップである」

広告がただの商品カタログや説明書きではなく、意思を持って人を動かし購買につなげるツールであることを原則として書き記しているのです。

つまり、本書は広告のノウハウ本ではなく広告の原則、100年経っても変わらない本質とは何かということをコンパクトにまとめたものになります。

もちろん、内容には「クーポン付き広告」「テストマーケティング」などといった具体的な方法論も記載されています。
そしてその方法論自体は今も使われています。
原則に基づくマーケティングは、時代やツールが異なっても決して置き去りにされることなく活用されていることからも、本書で提案されている原則が本質であることを証明していると言えるでしょう。

全米No.1マーケッターとしても有名なジェイ・アブラハムも「ホプキンスを広告の神と仰がない人はいない」と称したことは有名な話です。

天才さえ繰り返す努力の必要性

本書の中で、ホプキンスは何度も下記のような言葉を繰り返しています。

”天才とは努力する技術である。勉強の時間を惜しむようでは、広告の世界で名をなすことはできない”
”この業界に怠惰な人間の居場所はない”

〜「広告マーケティング21」 本文内より引用〜

未熟な私は怠惰な気持ちを捨てることは未だできていません。
ですが、彼が情報もない時代、広告の反応計測も無い時代にいかにしてその効果を図り、一つ一つの戦略を分析し、本質にたどり着いたのかと思うと、私なんぞが怠けている暇はないものだと思い知らされます。

そして、時代とともに変容した広告、インターネット広告やSNS発信などに振り回され、ついつい小手先のテクニックで扇動してしまいたいこともあります。
ですが、時代が変わろうとも人々の本質が変容したわけではなく、本質的に広告が訴えること、果たす役割も変容するわけではありません。
だからこそ、本質にいつも立ち返ることの大切さを教えてくれます。

本書は私にとって100年経っても色褪せないバイブルであり、毎回新鮮な新しさをもたらしてくれる本です。
マーケティングや広告の本質について触れてみたい方はぜひ一度読んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます

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